この記事でわかること
「周年事業の担当になり、社史や記念誌、記念映像をつくることになったものの、社内の歴史資料がほとんど残っていない」
こうしたお悩みをよくいただきます。
「資料がないなら、社史編纂や周年事業は難しいのではないか」
そう感じて立ち止まってしまう方は少なくありません。
結論からお伝えすると、資料が残っていなくても、社史や記念誌、記念映像をつくることはできます。
周年事業の材料になるのは、書類として残った記録だけではないからです。
むしろ、資料以上の価値を持つ情報はどの会社にも必ず残っているはずなのです。
この記事では、資料がなくても周年事業を進められる理由と、資料の代わりに何を集めればいいのかを解説します。
目次
資料を探したら、ほとんど何も残っていなかった。
写真は数枚あるけれど、いつ・どこで・誰が写っているのか分からない。
そういう状態で「これでは振り返りようがない」と感じてしまう。
私たちがご相談をいただく中でも、本当によく耳にするお悩みです。
ですが、資料の数やそもそも残っているかどうかは、周年事業の成否を決めるものではありません。
ここで大切なのは、「なくした資料を探しましょう」「過去の記録を復元しましょう」という発想だけに偏らないことです。
もちろん、残っている資料を探すことは大切です。
しかし、資料を集め直すこと自体が周年事業の本筋ではありません。
周年事業で最初に考えるべきなのは、資料の量ではなく、
「この節目に、何を伝えるのか」
「参加する人に、何を持ち帰ってほしいのか」
という意味付けです。
資料がなくても周年事業を進められる理由は、大きく2つあります。
「周年事業とは、会社の歴史を振り返るもの。だから過去の記録が必要だ」
そう考えると、資料がないことは致命的に思えます。
ですが、周年事業の本当の目的は、過去の記録を並べ直すことだけなのでしょうか?
過去の記録を並べたその上で、何を感じて欲しいのか。この後者の部分が開催の目的であり、本質のはずです。
つまり、「資料を使った振り返り」はあくまで手段であり、資料は最初にすべて揃っていなければ始められないという前提条件にはなりません。
周年事業においては、会社の「今」を見つめ、「このプロジェクトで誰に何を伝えたいのか」という意味付けから考えることが最も重要です。つまり「コンセプト」をまずしっかりと設計することが必要になります。
まずは、「そもそも単に過去を振り返るための周年事業で良いのか?」というスタート地点に立ち帰り、「なぜやるのか」「やった結果、誰にどうなって欲しいのか」というコンセプトをしっかり決めること。
例えば、「従業員に感謝を伝える」というコンセプトを決めた場合。
単に「過去こんなことがあって大変でしたね」と振り返りながら一方的に感謝をするよりも、より「今」にフォーカスして「会社には色々な立場の人がいて、それぞれの努力が相互に影響しあってこの今がある」という現状を伝える企画にする。
もしかすると、この方が従業員同士のお互いの仕事へのねぎらいにつながり、より自然な形でたくさんの感謝が生まれるかもしれません。
周年事業=振り返り=資料が必要、と定型的に考える必要は必ずしもないのです。
それよりも、「なぜやるのか」という本質的な意味付けから考えることが極めて重要です。
もっと根本的に、資料がないことを制約条件にしない方法もあります。
むしろ、数字や写真などよりも、周年事業を成功させるためにもっと重要な役割を果たすものがどの会社にも必ずあるはずなのです。
それは、「記憶」と「証言」です。
私たちはこの考えをもとに、ほとんどの場合でキーマンインタビューを実施しています。そして、それをもとにパンフレットや映像などを制作することが非常に効果的だと考えています。
仮に年表や展示を制作するとしても、その時に必要なのは単に「何年に何があったか」という事実の一覧だけではありません。
もちろんそれも大切ですが、周年事業や社史で本当に届けたいのは、出来事そのものだけではありません。会社がどのように歩んできたのかという文脈がとても重要です。
文脈とは、出来事同士のつながりや、その背景にある意味のことです。
「なぜその出来事が起きたのか」「その経験が今にどうつながっているのか」を見ていくことで、単なる記録ではなく、会社の物語が見えてきます。
例えば、「若手社員にこれまでの歩みを知って誇りを持ってもらうための周年事業」という目的があった場合。
過去にある重要なプロジェクトが始まった事実は資料で十分知ることができるかもしれません。
しかし、それだけでは出来事を知ったという状態にしか届きません。
このような文脈、ストーリーまでを伝えることで初めて、若手社員も過去の出来事が身近に感じられるはずです。
「あのベテラン社員も、当時は自分と同じように汗をかいてもがいていたのか」
「先人たちの努力から地続きの場所に、次は自分が立っているのか」
そのようなことを感じてもらうためには、単なる数字や資料だけでなく本人たちの「生の声」というものが非常に効果的です。
資料がないことは、過去を振り返れない理由にはなりません。
むしろ、人の記憶をたどりながら自社の文脈を掘り起こすきっかけになります。
役員、現場社員、OB・OG、時には取引先など、さまざまな立場の人の声を聞くことで、資料だけでは見えなかった会社の姿が明らかになっていきます。
資料がない状態からのスタートは、ハンデではありません。
会社の物語を、もう一度人の言葉から見つけ直すチャンスでもあるのです。
大切なのは、「残っている資料から何を作るか」だけを考えるのではなく、
「人の記憶から、会社にとって大切な意味を掘り起こす」
という視点を持つことです。
この記事では、資料が残っていない状態からでも、社史や周年コンテンツをつくれる理由について解説しました。
ポイントを整理します。
社史や記念誌、記念映像に必要なのは、完璧に整理された資料だけではありません。
大切なのは、この周年事業や社史を通じて何を伝えたいのかです。
その意味付けを叶えるためには、そもそもどうするのが最も効果的なのか。
あるいは、その意味付けを支える会社の記憶を、資料以外にどのように集めるのか。
資料が少ないからといって、会社の歴史が消えてしまったわけではありません。
その歴史は、現役社員やOB・OG、役員、長く関わってきた取引先の方々の記憶の中に残っています。
その声を集めていくことで、資料だけでは見えなかった会社らしさや、未来へ受け継ぎたい価値が見えてきます。
資料が残っていない状態からでも、周年事業は進められます。
むしろその状態だからこそ、人の記憶をたどり、自社らしい物語を見つけ直す周年事業にできるのです。
私たちインサイトコミュニケーションズは、周年事業における意味付け、つまりコンセプトを立てるところから、
記念誌・映像・式典といった具体的な形にするところまで、20年以上伴走してきました。
資料が十分に残っていない場合でも、できることはあります。
私たちは、単に制作のためだけのインタビューではなく、会社の物語を掘り起こし財産として整理するためのインタビューを非常に得意としています。
さらにはそれらを元にした、次のようなご支援も可能です。
会社の物語を紐解き、過去の記録とこれからの未来をつなぐ周年事業にしたい。
そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。
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